降ったり止んだりの繰り返しだった。
冷たい雨と風は体の熱をどんどん奪い、写真を撮る気力をも奪っていく。
けれど、ここまで来たんだからと村を歩き回っていると、
神様が素敵な贈り物をくれた。
それは、アレンテージョの大地から孤を描き、空に架かる大きな大きな虹。
虹はきれいな半円を描き、大地をつないでいた。
この幸運に感謝しながら、時間を忘れて虹を見つめる。
もう少しこの景色を眺めていたい…。もう少し、もう少し…。
なぜ虹はこんなにも人を惹きつけてやまないのだろうか。
思いをめぐらしていると、やがて虹は空に溶けていき、再び霧のような雨が降ってきた。
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